こんにちは。第58回社会保険労務士試験の受験生、かでのです。
前回の記事では選択式の足切り対策を書きました。
今回はもう一つの壁、択一式について整理します。
選択式を午前中に終えて、午後からいよいよ択一式。
7科目70問を210分(3時間30分)で解ききる試験です。
「210分もあれば余裕では?」と最初は思っていました。
でも実際に時計を見ながら過去問を解いてみると、1問あたり3分しかないのです。
長い事例問題や数値計算が絡む問題で迷い込むと、あっという間に時間が溶けていきます。
しかも独学・フルタイム勤務の40代には、試験慣れのための時間も限られています。
「本番で時間切れになった」という体験談を見るたびに、早めに時間配分の戦略を固めておかなければと感じています。
この記事では、択一式を時間内に安定して得点するための科目別戦略と時間配分を、自分の勉強記録も交えて解説します。
まず確認|択一式の基本ルール
対策を立てる前に、数字を正確に頭に入れておきます。
| 区分 | 科目数 | 問題数 | 試験時間 | 足切り基準 | 合格ライン目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 択一式 | 7科目 | 70問(各10問) | 210分 | 各科目4点以上 | 44点以上(総合) |
1問あたりの持ち時間はちょうど3分。
ただし「確実に正解できる問題」で時間を節約し、その貯金で「迷う問題」に時間を使うというメリハリが合否を分けます。
択一式の科目構成は以下の通りです。
| 科目 | 問題数 | 難易度の特徴 |
|---|---|---|
| 労働基準法・労働安全衛生法 | 10問 | 基礎が多いが安衛法がとっつきにくい |
| 労働者災害補償保険法 | 10問 | 数値・給付の種類が複雑 |
| 雇用保険法 | 10問 | 改正が多く最新知識が問われる |
| 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 | 10問 | 計算問題・数値暗記が多い |
| 健康保険法 | 10問 | 高額療養費など数値問題が頻出 |
| 厚生年金保険法 | 10問 | 年金科目の本命。難易度高め |
| 国民年金法・社会保険関係科目(一般常識含む) | 10問 | 国年と社一をまとめて解答 |
独学40代が痛感した「時間切れになるパターン」3つ
過去問を時間計測しながら解いていると、3つの場面でタイムロスが生まれることに気づきました。
① 年金科目で沼にはまる
厚生年金・国民年金は出題範囲が広く、計算問題や「特例」の例外処理が絡むと1問に5分以上かけてしまうことがあります。
他の科目より単純に難しいうえ、午後の試験中盤以降に登場するため、集中力が落ちた状態で向き合うことになります。
② 「個数問題」に正直に向き合いすぎる
択一式には「次のうち正しいものはいくつか」という「個数問題」が含まれます。
5つの選択肢を全部精査しないと答えが出ない形式なので、1問で10〜15分かかることもあります。
③ 見直しの時間を想定していない
「210分で70問 = 3分/問」と計算して解き始めると、見直し時間がゼロになります。
後半に時間が足りなくなったとき、焦りから判断ミスが増えるという悪循環に陥ります。
科目別攻略戦略|得点効率で優先順位をつける
すべての科目を同じ力で攻略しようとするのは、独学者には現実的ではありません。
「確実に4点を取る科目」と「5〜6点を狙う科目」を分けて戦略を立てることが時間管理の基本になります。
【稼ぎ科目】7〜8点を狙う
雇用保険法・労災保険法
給付の条件や日数など数値暗記が主体で、理解が定着すれば安定して得点しやすい科目です。
過去問の繰り返しが最も効く領域なので、独学者でも時間をかければ高得点が狙えます。
改正点は毎年必ず確認が必要ですが、それさえ押さえれば「貯金科目」になります。
健康保険法
高額療養費・傷病手当金の計算問題は、パターンを覚えてしまえば確実に点数になります。
「数字が多くて嫌だ」と後回しにする受験生が多いほど、ここで差をつけるチャンスです。
【死守科目】最低4点を確保する
労働基準法・労働安全衛生法
安衛法は範囲が広く捨てたくなりますが、足切り基準は10問中4点以上。
労基法で7点以上取れれば、安衛法は3問中1問正解でも足切りを回避できます。
過去問の頻出論点に絞って確実に得点する意識が重要です。
国民年金法・社一(一般常識)
社一は読みにくい問題が多いため、深追いせず「確実に取れる基礎問題だけを落とさない」という守りの姿勢で臨みます。
【時間管理が命の科目】
厚生年金保険法
最も難易度が高く、迷い込むと時間を大量消費します。
計算問題は「解けそうなら解く、無理なら次へ」と即座に判断する訓練を今のうちにしておくことが必須です。
労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)
計算の手順が決まっているので、解き方のパターンを体に染み込ませれば時間ロスを防げます。
逆にパターンが入っていないと1問で詰まります。
実践|210分の時間配分テンプレート
試験当日に使える、具体的な時間配分の目安を組んでみました。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 開始〜20分(約7問) | 労基法・安衛法の前半を解く。焦らず基礎問題を確実に取る |
| 〜50分(14問追加) | 労災・雇用保険を一気に進める。稼ぎ科目なのでペースを上げる |
| 〜80分(10問追加) | 徴収法。計算パターンを決め打ちして時間を節約する |
| 〜110分(10問追加) | 健康保険法。数値問題は後回しフラグを立てながら進む |
| 〜150分(10問追加) | 厚生年金法。迷ったら3分で見切りをつけてマークして次へ |
| 〜180分(10問追加) | 国年・社一。残り時間を確認しながら解く |
| 残り30分 | マークしていた「迷い問題」の見直しと、マークシートの転記確認 |
最後の30分が命綱です。
この見直し時間を確保することを前提に、前半の科目を「やや速め」のペースで解く練習を今からしておくことが、本番での時間切れ防止につながります。
過去問の「回し方」に潜む落とし穴
択一式の過去問を何周もすることは必須ですが、回し方を間違えると伸び悩みます。
「解けた・解けなかった」の記録より「なぜ解けたか・なぜ解けなかったか」が大事
何度も解いて正解できるようになった問題でも、「なんとなく覚えた」状態だと本番の少し変わった問題で崩れます。
解説を読んで「この選択肢が間違いである根拠」を言えるようになるまで理解を深めることが、回数より重要です。
苦手問題のリスト化
解けなかった問題に印をつけるだけでなく「どの論点が原因で解けなかったか」をメモしておくと、テキストに戻るべきポイントが明確になります。
闇雲に全問を何周もするより、苦手論点に集中した方が時間効率が上がります。
「個数問題」は後回しフラグをつける習慣を今から
本番で個数問題に正面から向き合うと時間を溶かします。
過去問演習の段階から「個数問題が来たら一旦飛ばして次へ」という習慣をつけておくと、本番でも自然と同じ動きができます。
模試を最大限に活用する方法
択一式の時間配分を体に染み込ませる最善の方法は、本番同様の環境で模試を解くことです。
6月から各資格学校の公開模試が開催されます。
独学者でも市販の模試問題集を購入して、210分を計測しながら解く練習ができます。
模試を「成績を見るもの」ではなく、「210分で70問を解く感覚を確認するもの」として使うことが重要です。
具体的には、模試を解いた後に以下を確認します。
- 科目ごとの時間をどれくらい使ったか
- 時間切れになった場合、どの科目で詰まったか
- 後から見直して答えが変わった問題はあったか
この3点を記録しておくと、本番に向けた自分専用の時間配分が精度を上げていきます。
まとめ|択一式攻略チェックリスト(試験2ヶ月前)
| 優先度 | やること | 時期 |
|---|---|---|
| ★★★ | 稼ぎ科目(雇用・労災・健保)を過去問で徹底固め | 今すぐ |
| ★★★ | 1問3分の感覚を意識しながら過去問を解く習慣をつける | 今すぐ |
| ★★ | 個数問題を「後回しフラグ→見直し」の流れで処理する練習 | 今月中 |
| ★★ | 徴収法・厚年の計算パターンを決め打ちで覚える | 今月中 |
| ★ | 市販模試で210分の時間配分を1回以上体験しておく | 7月中 |
選択式の足切りと、択一式の時間切れ。
この2つの恐怖と同時に向き合うのが、社労士試験の直前2ヶ月です。
仕事から帰って過去問を開くと、正直しんどい夜もあります。
それでも「時間配分の型」を今のうちに固めておけば、本番でのパニックをある程度防げると信じて続けています。
同じ状況で戦っている受験生の参考になれば、嬉しいです。
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